ispaceの月面着陸ミッション2(「RESILIENCE」ランダー)が2025年6月6日に失敗に終わったことを詳細に報じています。以下に要点をまとめます。
✅ ミッション2の概要と失敗の状況
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ispaceは、2度目の月面着陸に挑戦(1度目は2023年4月)。
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「RESILIENCE」ランダーは月周回軌道から着陸を開始。
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着陸直前の高度192mで通信が途絶し、そのまま月面に衝突・破壊されたとみられる。
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通信喪失は午前4時17分直前に発生。
🛬 着陸シーケンスの計画と実際の挙動
着陸プロセスは6フェーズに分かれていたが、以下のような異常が見られた:
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フェーズ3(減速噴射):計画通りに速度を約350km/hにまで落とせた。
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フェーズ4:予定より2倍近く高速な約237km/hで高度1kmまで到達(予定は120km/h)。
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十分な減速が行われず、着陸に間に合わなかった可能性。
🔍 原因と想定される問題
① レーザーレンジファインダの遅延
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本来は高度3〜10kmで有効な距離計測を開始する予定だったが、
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実際に計測が始まったのは高度1〜1.5kmと大幅に遅れた。
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このため、IMU(慣性計測装置)の誤差を補正できず、
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ランダーは「まだ高い」と誤認して減速が遅れた可能性。
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② 推進系の異常は否定
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エンジン圧力、推進剤残量ともに正常。
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姿勢制御も問題なかったとされており、ハードウェア的な異常は現時点で見られない。
🚀 今後の展望
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失敗にもかかわらず、ispaceはミッション3と4を2027年に予定。
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次回は大型ランダー「APEX1.0(米国開発)」と「シリーズ3(日本開発)」を使用。
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今回とは設計が異なるため、影響は限定的との見方。
🌒 民間月面探査の状況とispaceの立ち位置
| 年 | 企業 | 成果 |
|---|---|---|
| 2019 | Beresheet(イスラエル) | 失敗 |
| 2023 | ispaceミッション1 | 失敗 |
| 2024 | Intuitive Machines(米) | 着陸成功(ただし横転) |
| 2025 | Firefly Aerospace(米) | 着陸成功(正常な姿勢) |
| 2025 | ispaceミッション2 | 失敗 |
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成功していればispaceは民間3社目、日本初の月面着陸成功だった。
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米国企業が先行している状況で、今後のミッション成功が極めて重要。
🗣️ CEO袴田武史氏の見解
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米政権によるNASA予算削減懸念に対して:
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「CLPS予算は維持されている」
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民間の役割は今後さらに重要になるとの見通し。
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「APEX1.0ランダーの開発を進め、期待に応えたい」と前向きな姿勢を示した。
💡 総評
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**技術的な課題(特に高度推定とセンサー統合)**が、今回の失敗に大きく関与。
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ispaceは設計変更を最小限に抑えながら、ソフトウェアやセンサー制御の改善に注力する必要あり。
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2027年の成功が、商業月面輸送ビジネスの命運を大きく左右する可能性がある。
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